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最高裁判所第二小法廷 昭和49年(オ)1019号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人山田俊夫の上告理由一(一)(二)、二及び三について。

所論の点に関する原審の認定判断は、正当として是認しえないものではなく、もとより所論引用の判例に反するものではない。論旨は、ひつきよう、原審の認定しない事実に立脚して原判決の違法をいうものにすぎず、また、原判決に右違法のあることを前提とする所論違憲の主張は、その前提を欠く。論旨は、採用することができない。

同一(三)について。

原審が適法に確定した事実関係のもとにおいて、被上告人が本件金銭消費貸借契約に基づいて得た利益は、賭博に浪費されて現存しないものであるから、被上告人はその返還義務を負わないとした原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小川信雄 裁判官 岡原昌男 裁判官 大塚喜一郎 裁判官 吉田 豊)

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